激化するスーパーコンピュータの開発競争

アメリカや中国、さらには日本のような、経済的に見て世界上位の国の間では、スーパーコンピュータの開発競争が繰り広げられています。スーパーコンピュータというのは、普通のパソコンの数千台分の演算処理能力を誇る大規模なシステムのことです。これがあると、様々な計算が楽にできるようになります。宇宙の謎を解き明かす役にも立ちますし、薬品を作るときにも手助けになるでしょう。

他にも、複雑な計算が必要な天気の解析や、地震の研究にも大活躍します。学術の分野を伸ばしていこうと考えるなら、こうした巨大なシステムがないと話になりません。各種研究を世界に先駆けて行う場合には、その国に性能の高いスーパーコンピュータが複数あるかどうかが条件になることが多いです。ですから、毎年非常に苛烈な性能競争が行われています。

日本も世界ランクで一位を取ったことが過去に数回あります。アメリカや中国も日本と同様に世界一の座を手にした経験があります。スーパーコンピュータを構築するためには、ビルが一棟必要であると言われています。ビルの中に数千台のマシンを入れて、それを一つにまとめあげて統一システムとして運用するわけです。

ですから、一般的なパソコンの延長線上にあるものだと考えるのは辞めたほうがいいでしょう。維持するだけでも年間数百億円かかるもので、その費用はほとんど税金から支払われます。無駄遣いだという声もありますが、世界の技術革新に取り残されないためには必要不可欠な存在です。